田辺のぶひろの グリナリー・カフェ
第4回 2004年5月15日 グリナリー カフェ の トップページへ 過去の 記事を 見る 協賛企業 50音順
田辺のぶひろの グリナリー・カフェ
ゲストのプロフィール
鈴木 孝(すずき たかし)氏
静岡市企画部企画調整課長
1951年生まれ
1975年 市役所入り
企画、財政、静清合併などの仕事を手がける
2003年 企画調整課長
2005年4月スタートの新総合計画を策定中
趣味 犬(日本犬)
家族 妻と2人暮らし、藤枝市在住

静岡市役所企画部の鈴木孝課長の後編です。
氏とお話ししていて強く感じたこと、それは『静岡市の未来に対する想い』ということです。
静清合併はいよいよ次の段階、政令市へ秒読み段階となっております。その先静岡市はどこを目指すのか。世界標準となりえる自己完結型のライフスタイルとは?
前回に続き氏の21世紀の静岡市についてのビジョン、考え方をお聞きいただき、今後の参考にしていただければ幸いです。(田辺)

みなみウォ−キング〜久能街道を行く〜

内容:静岡の歴史、文化、見所紹介(4回シリーズ・今回はJR静岡駅〜伝馬町通り
日時:5月29日(土)午前9:30〜11:30*小雨決行
対象:どなたでも30名(無料)
申し込み:5月22日(土曜)午前9時30分より 電話で南部公民館まで(054-281-2184申し込み順)

文化財資料展シリーズ3
「むかしの清水」


場所:静岡市立登呂博物館
日時:〜5月30日
お問合せ:静岡市
(054-285-0476)
Greenery Cafe(グリーナリー・カフェ)へようこそ!
グリーナリー・カフェとは「緑の喫茶店」 ナビゲーター田辺信宏とゲストとのトークによるインターネットマガジンです。
様々な分野の第一線で活躍する方に登場していただき、それぞれの分野においてどのようなビジョンを持ち課題に取り組んでいるのか、お聞きしていきます。どうぞご期待ください。
田辺信宏(たなべ のぶひろ)

昭和36年生まれ
早稲田大学(政経)卒業、
松下政経塾、英国留学を経て、平成3年、静岡市議会議員に初当選.
平成7年より静岡県議会議員(3期9年間)
現在は、静岡産業大学国際情報学部講師(国際関係論)
田辺のぶひろホームページ

このホームページに関するお問い合わせは
info@greenerycafe.jp
までお願いいたします。
前回より続き

田辺:「よく市民から聞かれる批判なんですが、せっかく合併したのに新しい静岡市がどんな政令市を目指すのかそのビジョンが見えてこない。足して2で割ったようなものではなくて、1+1が3になるような、こういう都市を作るんだという分かりやすいビジョンとか、イメージが湧かないという事ですが、その点の次の総合計画でどのような方針を打ち出しているんでしょうか。」
鈴木:「総合計画というのは、3つの計画で構成されていまして、一番上位にあるのが綱領的な文章である基本構想。それを実現するための主要な事業化からなる基本計画。基本計画のアクションプログラムであります実施計画。今お話になっている都市の方向とか将来のまちのあるべき姿は、基本構想のところで書き込みます。これは今年の9月議会に、お諮りするんですが、この基本構想で明確に都市ビジョンを打ち出していきます。その際のキーワードといいますか、基本的考え方をお話しますと、指定都市としてどういう大都市になるのかという方向性をださなくてはいけないわけです。いいかえると国土の中における本市の役割、それを担う能力、これは「必要と能力」といってるんですが、国から見ると静岡市を大都市として処遇する必要性があるのか、それは私たちの方から言えば、国土において静岡はこういう貢献が出来るという事ですね、また、能力というのは国から見て静岡市を大都市として処遇して大丈夫かなと、大人の服を着せたんだけどブカブカで着れなかったという事では困るというようなことですが、それは、我々が実証しなければならない。静岡県内とか中部県域でというよりも、もう少しオールジャパンで捕らえていく必要がある。そういう見地から都市ビジョンを考えなくてはいけないという事です。2つ目は、いろいろな制度の設計を見直す時期に来ていますので、そういうことに合わせたまちづくりに転換していかなくてはならないということです。そういう中で今考えているのは、「参加と連携」という言葉に集約できると思います。「参加」というのは、これだけ成熟した市民社会の中にあって住民のあるいは団体のタレントと言いますか、能力、資質が非常に高まってきている。これをこれからのまちづくりに活用していかない手はない。それをどういう風にまちづくりの中に「参加システム」としてビルトインするかという事が必要になっています。「連携」というのは参加した人たちだけが満足するのではなくて、参加した市民とか団体の方々相互の連携をどういう風に図っていくかということです。もう一つは市民と行政との関係。両者が協働してまちづくりをしていくかということです。そういう基本的な認識を踏まえて、では静岡型の都市とは何かとなる訳ですが、これは地勢的な観点から分析するのと、内実というか要素、静岡市がもっている地域資源から分析するという2つの面側があるわけですが、姿勢的な観点から言うと、ものすごい有利な条件を持っている。日本列島というのは大陸に対して向かい合わせのような弓のような格好をしています。弓の中でちょうど真ん中の所なんです、静岡市は。この絶好の地理的位置を生かさなければならない。少なくとも10年くらいは世界の工場である東アジア、これともっとも等距離の近接性をもったポジションに静岡市はあるわけです。その東側に太平洋があり、太平洋を囲む諸地域を見ていけば、東アジアがあり、ロシアがあり、カナダがあり、南北アメリカがあります。それからオセアニア。世界の経済的な基軸というのはだんだんアメリカや西ヨーロッパから太平洋の方に移って来るわけです。これは太平洋時代なんて言われてますけど。そうすると、東アジア時代とか太平洋時代にとって一番いいポジションを持っている。そういう地勢的な存在、それから日本国内を見ても、フォッサマグナで東日本と西日本を分けているような所にありますから、東西方向と南北方向との丁度クロスポイントの地点にあるわけです。こういう地勢的なメリットを生かさない手はない。しかも、地勢的なメリットを生かす為に国土政策の上でも大規模社会資本の整備を進めようとしている。第二東名だとか、あるいはこれは県ですが、静岡空港だとか。こういう大規模社会資本の整備とクロスポイントの地をうまくかみ合せる事によって、さらに今持っている可能性を引き出せるのではないでしょうか。
それから、もう一点の地域資源の有効活用という観点で言いますと、既存の13の指定都市といいますのは大規模河川の河口に開けた、扇状地に展開している。つまり平坦地に人口が稠密に集積している、そういう都市のなりたちなんですね。したがって投資効果が非常にいい。1平キロ米当たりに住んでいる住民の数、団体の集積度は静岡市としては桁違いに大きい。ところが逆にですね、ライフラインみたいなものは自分の都市の中では賄えずに、よその市、あるいはよその府県まで行って賄っている訳ですよ。例えば日本で一番大きな都市である横浜市は、山梨県に水瓶がある訳です。飲料水という一番、市民の生命のもとになるもの、もっとも基本となる飲料水がよその自治体に託されている、そういう言い方もできる訳です。そこにいくと静岡市は、1級河川が水源から河口まで静岡市内を全部流れていたり、海抜0メートルというか、駿河湾は世界一深い湾ですから、水深1000mから標高で言うと3000mまで、この垂直の中に市のエリアがある訳です。そこに実に多様な生活相や自然相を持っているわけです。例えば中山間地には自然相があり、そこに特有の社会相、生活・文化がある訳です。都市部では都市部でも、町場は町場でも文化があり自然相がある訳です。この様な垂直差の中にある多様性に富んだ地域資源は既存の指定都市にはとても無い要素ですね。これのエリアがすべて大都市という最も有利な制度を適用される訳ですから、そういう目でもう1回見直しをしまして、活用を図り、地域振興につなげていくことができるのではないか。そこからおのずから既存の指定都市とは違う静岡型の発展の方向が出てくるのではないかと見ています。

田辺:「なるほどね。全国にもまだ例の無いような政令市、自己完結型の街ができる、そういう意味では、将来、静岡が独立をするという方向さえ可能というようなイメージでよろしいですか?」

鈴木:「自己完結とか独立というと、そこに閉じこもってしまうイメージがありますが、そういうことよりもいろんなライフスタイルが可能ですということです。ある意味では世界標準となるライフスタイルがここで実現できるまちですというようなイメージです。我々の今の生活スタイルというのは産業革命以降のイギリスの生活スタイルがモデルといわれています。戸建の住宅のリビングで、ゆったりと紅茶を飲んだり、土日にはピクニックに行ったり、そういった生活スタイルは近代的な市民社会が最も早く成立した中で市民が作り上げてきた訳です。それが戦後だんだんとアメリカ型にシフトしてきた訳ですが、基本はやっぱりイギリスに淵源がある訳。しかし、世界の新しい市民の生活スタイルは、イギリス型でもなければアメリカ型でもない、静岡型にこそ見出せるのではないか。具体的に言えば、まず海があります。海での生活、レジャーの楽しみ方ってあります。それから川が大都市のすぐ前にあります。渓流釣りから鮎、鮒釣り、さらに山間地もあります。本格的な山岳もあります。そのような大自然が大都市に近接してある。加えて、大都市としての高度な文化芸術に接するような生活も享受できるわけです。週末には中山間地で自然に囲まれた田舎暮らしもできる。それを一つの市で可能なんですね。一人の人が一週間でいろいろな生活拠点でいろいろな生活スタイルをおくることができる。しかも低コストで。こんな都市こそ世界標準のライフスタイルの街になると思います。」

田辺:「移動距離も少なくできますよね。」

鈴木:「垂直に移動するだけですからね。これは非常にメリットがある。もうちょっと大都市に行きたかったら、先程申し上げたように、大規模社会資本が整備されていますから簡単に行ける。東京まで1時間でいけるし、車でも3時間くらいで行ける。静岡空港ができれば東アジアに2時間で行けます。こういう中で新しい可能性を発掘できる。これからは、個々の市民が自ら満足する生活の仕方というものが都市像として重要になってくると思います。」
田辺:「では、最後に少し話題を変えて、このサイトは学生もアクセスします。私も大学で講師をしていますので、ま、将来静岡で、オールマイティーな街づくりをしたいとう公務員志望の若者に対して、これからの静岡市役所でやっていきたいという夢を持っている学生に対して、どんな人に来て欲しいか。ま、公務員だから安定しているというのではないスピリットがこれから求められてくると思いますが、その点で、どんな学生を取っていくのかのヒント、アドバイスをお願いいたします。」
鈴木:「地方公共団体や地方公務員に求められるもののひとつは、幅広い市民の声を伺ってそれをシステマティックに政策の大系に編成し直すということがあると思います。具体的にどういうタレントが必要かというと、やはり色んな所に出かけて行けるような気さくな人柄と他者を受け入れること。閉じこもっていられたら困ります。積極性が必要です。それから親和性といいますか他者と仲良くしていける能力、そして「説得能力」です。これからの役所の仕事はフェース・トゥ・フェースの仕事がますます増大してくると思います。機械にできない、置き換えられない部分が役所の、公務員の仕事の中心になってくる。そうするとコンサルティング能力、相談を受けてそれを解決していく。しかも、何かうまく市民と団体の連携の中で問題解決できるような仕組みを作っていく。それを関係者に説得する。様々な利害関係の中で個々の市民の方の思いを最大公約数的にまとめあげる、調和の体系を作りあげるとこういった一連の能力が求められている。非常に難しい事なんですが、しゃべっている私自体にそんな能力はとても無いとは思いますが、そういう能力や資質がある人がこれから必要になっていると思います。」
田辺:「ありがとうございました。」

(本文中敬称略)


次回 6月1日予定
次回は、『PHP友の会静岡』の副会長に登場していただく予定です。お楽しみに。(田辺)
 


次の総合計画でどのような方針を打ち出しているんでしょうか。

ある意味では世界標準となるライフスタイルがここで実現できるまちですというようなイメージです。

これからの役所の仕事はフェース・トゥ・フェースの仕事がますます増大してくると思います。
Back Next

このページの一番上に移動 グリナリー カフェ の トップページへ 過去の 記事を 見る 協賛企業 50音順
2004 (C) Copyright by 21世紀懇話会
All rights Reserved.
グリナリー カフェ の トップページへ